[Guest Post] Life Elsewhere: Tampere, Finland


普段はロンドンから食や生活についての記事をお届けしているSHOCK TUCKですが、やはり情報に偏りがあるし、もっと他の国や地域のことも知りたい・知ってみたい。

ということで、以前からやりたいと思っていたGuest Post(寄稿)、ついに始めます!

記念すべき1人目は、ハナさん。
私の大学の友人で、東京にいる時には一緒にイベントを企画したり、美味しいものを食べに行ったりと、一緒に楽しく過ごしていました。食に限らず、衣服などにも関心があり、作り手と買い手の「対話」について熱い想いを持っている子です。

今年の夏からフィンランフォのタンペレという町に留学しているハナ。今回は彼女と話して、タンペレに来て気づいた・感じた「食」に関することを紹介してもらうことにしました。

では、Enjoy!

* * *



こんにちは。
フィンランド・タンペレに留学しているハナと言います。

同級生のリホから、「食」や農業の面白さを教えてもらい、興味が出て、東京では色々な面白いことを一緒にやっていました。
今は、ロンドンとタンペレと離れた場所にいるけれど、面白そうな取り組みをシェアするのはどこにいても変わりません。

そんな尊敬している友人から、話す機会をもらって、今回はフィンランド留学で見えてきた「食」についてお話しようと思います。


(↑夏のラウハニエミ湖)


タンペレはフィンランド共和国の南西に位置する、首都ヘルシンキに次ぐ人口第二の都市です。大きなふたつの湖に加えてたくさんの森林や湖に囲まれた静かな街です。
日本でも馴染みの深いFinlayson等のテキスタイルの会社があり、紡績業も盛んで、「フィンランドのマンチェスター」と呼ばれているようです。3つの大学(University of Tampere, Tampere University of Technology, Tampere University of Applied Sciences)にも反映されているように、技術やIT業も盛んです。

私は、3つの大学のうちのひとつ、University of Tampereで平和研究学やジェンダー学を中心に交換留学生として勉強しています。
交換留学生として、4ヶ月ほど生活してみて、タンペレを中心としたフィンランドでの暮らしにだんだん慣れてきました。


(↑シナモンロールとドーナツは国民的なおやつ、Arabiaのお皿とともに)


まず、こちらに来て日本と変わったことは、外食をあまりしなくなったということです。
これは、ご存知の通り、フィンランドを含め北欧は物価が高いと言うのもですが、東京のようにパッと外で食べるという文化がヨーロッパはあまりないように思えます。
そもそも、フィンランドでは退勤時間が午後3時ごろなので、家で食べる時間的・精神的余裕があるように見えます。

家で食事を作るとなると、スーパーマーケットはだいたい午後4時ごろが混みます。外食は高くても、野菜やフルーツ、乳製品、肉類などは東京と価格は変わらないため、少し高いと感じることがあってもそこまでではありません。

スーパーでは、野菜たちはほぼ量り売りです。自分で、秤にかけてバーコードを貼ります。
バナナの房から自分で食べられる分だけ、もぎます。最初はもぎっちゃって良いの?!と躊躇していたのですが、1本だけ折って持っていく人がたくさんいたので、もぎっています。




野菜を取ったら、袋に入れますが、この袋にもオプションがあります。普通のプラスチック、土に還るbioバッグ、紙袋です。bioバッグのオプションはありがたいです。生ゴミをお家でまとめて入れるのに活用しています。


(↑これはオスロの紙袋ですが、フィンランドでもそっくりです)

タンペレでは最近、法律が変わったらしく、ほぼすべてのお店で袋が有料です。スーパーマーケットを始め、H&M等の大企業から個人商店まで、買い物をするときはエコバッグを持って行きます。

フィンランドの国民的キャラクター・ムーミンは、相当な確率でエコバッグに描かれているために、子どもからおじいさん、ひいてはパンクなお兄さんたちも、みんなムーミンバッグを持って買い物しています。


(↑大手スーパーマーケットは数ヶ月ごとに新しいムーミンの柄のエコバッグを販売します)

フィンランドは、世界一政治と水がきれいな国と自負しているように、水道水が軟水できれいなのも特徴です。ペットボトルの水よりも美味しいので、多くの人が水筒を持ち歩いています。大学でも、水が切れたら、トイレの手を洗うところから水を汲んでいます。最初はびっくりしたのですが、今ではもう慣れました。


(↑湖が多く水が豊富です)

ペットボトルや缶は、スーパーマーケットで回収がなされ、リサイクルするとお金が戻ってきます。スーパーでの買い物の割引にもなるので、多くの人がリサイクルに持って行きます。

スーパーに売られている商品を始め、大学のカフェテリアや街のカフェでは、多くのフィンランド産や、オーガニック食材、フェアトレード商品を見ます。外で見る、ほとんどの砂糖にはフェアトレードマークが付いているように感じます。
オーガニック食材やベジタリアン・ヴィーガン食材に特化したお店も多くあり、無意識から意識する選択まで、幅広いために、自分の食べるものについて考える機会が増えました。


(↑このカフェはすべてオーガニックの紅茶と砂糖でした)

また、フィンランドで特徴的なのは、ブルーベリーやキノコ狩りです。ちょっと取りに行こうと思い立ち、すぐ近くの森で採ってくるなんてことも可能です。私有地であっても、キノコ狩りやベリー狩り、ひいてはキャンプも、迷惑をかけない限り許されています。
ベリー類は夏でシーズンが終わってしまったのですが、10月現在もまだ多くの人がキノコ狩りを楽しんでいるようです。
森に入らずとも、アパートの入口の前にある、木の下にキノコが生えていたのですが、見るからに毒がありそうで、知識がない私は採れませんでした。見つけたキノコの種類を判別しあうFaceBookグループもあるようです。


(↑新しい生徒が多い新歓期は、だいたいキャンプファイアで交流会)


(↑マンションの前のキノコ)

私有地でのキノコや果物は採りきれず余ってしまうことが多いらしく、Facebook等のSNSを中心に個人で販売したり、道にバケツを出して「ご自由にどうぞ」というのも見ました。


(↑セカンドハンドショップの前で) 


ここまでは、生活で気付いたことでしたが、個人的に面白いなと思ったことをいくつか紹介したいと思います。

フィンランドは、世界トップクラスのコーヒー消費量の多い国です。私は個人的にコーヒーを飲まないのですが、だいたいカフェでは紅茶の選択肢も幅広いため、コーヒーブレイク(kahvitauko)を楽しむことができます。
ただ、「質より量」らしく、コーヒー好きの友人に言わせると、あまり味が美味しい方ではないのが残念とのこと。


(↑お気に入りのマグを選んで、おかわり自由のカフェも多いです)

私の大学では、何人かの生徒がボランティアで提供している取り組みとして、月に一回、周辺の農家さんの野菜やオーガニック食材を、事前にネットで商品を予約しておき、受け取れる仕組みもあります。まだ、トライしていないので、したい!




タンペレの郷土料理は、Mustamakkara(”black sausage”・黒いソーセージ)です。中に穀物がたくさん入っていて、ベリージャムと一緒に食べます。
なんだか、中華おこわや、台湾の香腸を思い出しましたが、もっともっと優しい味。友人が「フィンランド人と一緒で、外見は強そうだけれど、中身はシャイで優しいね」と言ったので、思わず笑ってしまいました。




このソーセージともですが、フィンランド人は食事と一緒にミルクを飲みます。カフェテリアには常にミルク・お水・ベリージュースが備わっていて、たくさんミルクを飲んでいます。
どうやら、企業による宣伝効果で、今のおじいさん世代から大量に飲むようになったと、フィンランド人の友人が言っていました。



このように、タンペレで気がついたフィンランドにおける「食」ですが、常々思うように、食文化は社会のあり方や様々な要素と組み合わさって現れてきます。
教育の質が高く、ワークライフバランスが優れているフィンランドでは、幸福度が高い国であることからもわかるように、人々の心の豊かさを感じます。
日本や他のヨーロッパの国々に比べると大変小さな国で、田舎ですが、デザインに優れ、長持ちする一生モノを持って、必要なものだけに囲まれた質素な暮らしは、人々を豊かにしていると思います。それは「食」をはじめとする生活全般に現れているのがうかがえます。


 


今まで書いてきたことは、体験を通した私の主観的な考えが中心です。まだまだ奥が深い、フィンランドの「食」を取り巻く文化たち。残り7ヶ月の留学生活を通して、もっとその実態に迫っていければと思います。
再び、shock tuckにお呼ばれされることを願って(?!)、フィンランドの「食」や人々についてさらに知見を深めて、多くの人と意見を交換できればと思います。
最後に、この機会を与えてくれたリホに感謝します、ありがとう!
ますます多くの人にshock tuckが広がり、「食」を通した文化に目が向くきっかけになりますように!

* * *

タンペレの豊かな生活が見えてきて、私も楽しく読ませてもらいました。コーヒーブレイクを楽しんだり、自分の持っているものや食べきれないものをシェアしたり。時間の使い方や人とのつながり方が、東京やロンドンとは違って興味深いなぁ。

都会だと、人や情報の波のなかで「自分のもの」をキープしておくことに気をとられてしまいがちなのかもしれない。
時間の余裕と、空間の余裕と、心の余裕には関連性があるように感じます。

だからといって、せわしない都会でも心の余裕をもつことはできるはず。タンペレでの生活のエッセンスをうまく取り入れられないかなぁ?

今後も、ぜひshock tuckでお話を伺いたいです。
ハナ、ありがとう!


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